自分を休ませる練習〖読書感想/書評〗
最近、ゆっくり休めていますか。
「あ~…なんか疲れた…」
「寝ても疲れが取れない…」
「なんかもうヤだ…」
こんなこと思っていませんか?急速に変わっていく世の中に生きている私たちは、変化についていこうと必死にもがいていることでしょう。
本書は医師として活躍されてきた著者がやわらかな心を取り戻すこと、本来の自分を取り戻し、今ここに意識を向けるためのヒントを紹介している。
1.著者紹介
矢作直樹
金沢大学医学部を卒業後、麻酔科医をはじめ、救急・集中治療、内科、手術部を経験。東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学専攻および工学部精密機械工学科教授となり、その後、東京大学大学院医学系研究科救急医学分野教授、医学部付属病院救急部・集中治療部長となり、東大病院の総合救急診療体制の確立に尽力。
2.自分を休ませる練習はどんな本?
あなたは頑張りすぎてしまうことはありませんか?朝早く起きて、日中は仕事をし、夜遅くに帰ってくる。毎日同じことの繰り返しを過ごしています。
毎日毎日慌ただしく過ごし、息をつく暇もなく、自分を押し殺しながら生活しています。
我慢をすることが美徳となったのはいつからなのでしょうか?
我慢をしなければいけないことも時にはありますが、本当の自分を抑えつけて、悩みや何かしらの苦しさを出せないでいるのではないでしょうか。
著者は「そんな状態が続くと、自分が疲れていることにも気づけなくなります。無理を続けると、心身に不調が出てきて病気になります。」と述べている。
3.メモ
「頑張りすぎる人」は「いいかげん」になる
頑張りすぎて、自分のからだを、周りの誰かを、苦しめていませんか。
p.18
頑張ってる人ってカッコよく見えますよね。そんな風になりたいと思い自分も何かないかと探します。
しかし、それがキッカケで「頑張りすぎる人」と化してしまいます。
「こうすべき」「こうしなくてはならない」というべき論が私たちを苦しめてしまいます。
「欠点」はそれぞれの学び
「遅い」人は「丁寧」な人、「愛想がない」人は「媚びない」人。欠点は長所でもあり、学びにもなる。
p.36
欠点ってものすごく気になりますよね。ただ人の欠点をバカにしたり、罵るのは自分を下げるだけです。
欠点はある意味学びであり、長所であります。
例えば、周りの人の仕事が遅い、動作がのろくてイライラしてませんか。遅いほうが悪いと思ってはいないでしょうか。
けど少し、見方を変えてみてみてください。その人の仕事ぶりは丁寧ではありませんか?
速く動くことは大切かもしれませんが、逆に相手のペースを乱しているのはあなたの方かもしれません。
過去も未来も、「今」の連続
今を楽しむ
p.163
私たちは、過去・現在・未来という3つの時間の中で生きてきています。時間は過去から未来へ進むと考えられていますが、どの瞬間も「今」の連続から成り立っています。
例えば、このブログのこのパートを読んでいるのは「今」ですが、その前のパートはもうすでに過去になっています。
タイム・マネジメント。時間を管理することが社会では大切だと言われています。たしかにタイム・マネジメントは大切ですが、いま生きている私たちは時間を管理しているのか、それとも時間に管理されているのでしょうか?
今この瞬間を楽しめることこそ、過去に起きたことへの意味づけが変わります。
4.感想・まとめ
マインドフルネスが流行しているのは、私たちがいかに「今」に集中できず、周りに影響を受けながら生活をし、疲れを感じ取ることができなくなってきているのではないだろうか。
本書はやわらかい心を取り戻すためのヒントがたくさん記されています。各パートも簡潔にまとまって書かれているので手に取りやすい一冊だと思います。
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