ミルトンモデル【ガイダンス】
僕たちの心には意識と無意識が存在しています。
これは深層心理学の父であり、現在の分析心理学にも影響を与えたC,G.ユングが提唱した理論です。
意識とは自分自身が認識できる領域で、無意識は自分で認識できない領域のことであり、この意識と無意識は心理学を勉強していると必ず現れる重要な考え方です。
僕たちは普段の会話は相手の意識に働きかけるような形でコミュニケーションをとっています。しかし、無意識に直接働きかけるコミュニケーションの方法もあります。
ここでは、催眠を通してクライエントの心の問題を解決してきた、心理療法家の言葉遣い(概要)について紹介します。
今回は、ミルトンモデルのガイダンス部分をお話します!催眠療法の父であるミルトン・エリクソンの手法を紐解いていきましょう!
1.ミルトンモデルとは
ミルトンモデルとは、催眠療法士であるミルトン・エリクソンがクライエントに対して使用していた独特な言葉遣いを一般の人にも使えるように分析し、体系化された手法です。
催眠と聞くと、テレビで見るような暗示をかけて、眠らせて、人を操作するというイメージがあるかもしれません。
実は催眠には古典催眠と現代催眠があり、「あなたはだんだん眠くなる…」と目を閉じさせて、直接声掛けして意識を後退させる手法(従来のみなさんが催眠と聞いてイメージするもの)を古典催眠といい、無意識に直接働きかける手法を現代催眠と言います。
ミルトン・エリクソンは現代催眠に長けていました。
2.体系化した言葉遣い
ミルトンモデルの最大の特徴は抽象的であることで、日常会話にも応用できます。
例えば、友達から「なんか雰囲気変わったよね」とあなたは言われました。そのとき、あなたはどう感じる(どう感じた)でしょうか?
たぶん、多くの人が「え?そうかな?」と言いつつ、心の内では「気づいてくれた」「見てくれている」と思ったかもしれません。
ですが、「なんか雰囲気変わったよね」という言葉には雰囲気がどのように(どこが)変わったのか、何かとはなんなのか、具体的には述べられていません。
しかし、抽象的な言葉で述べられているので、「なんか雰囲気変わったよね」という言葉は相手の都合によって自由に解釈されます。なので、すんなり相手に受け入れられるのです。
3.まとめ
無意識にはたくさん容量があります。僕たちは普段意識の上で行動を起こしてると思われていますが、僕たちの行動は無意識がコントロールしている部分がほとんどです。
無意識への働きかけが一番受け入れられやすいのは、相手が催眠(トランス)状態に入ったときです。
ミルトンモデルをマスターすると、日常会話をしているだけなのに、相手の無意識に働きかけて催眠状態(古典催眠ではない)にすることができます。
4.参考
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