こころ・らいぶらりー

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怒りは二次感情?なんで怒ってしまうのか?

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いきなりですが、最近イライラしてませんか?

車のあおり運転で煽っているほうがキレててトラブルになったり、

何かにつけて文句を言う人がいたり、

自分の思い通りにいかないと怒ったり・・・

傍から見てると、「なんでそんなことでいちいち怒るんだろう…」と思うことが多くなったなと感じます。

なんで、そんなにイライラしたり、怒る人が増えているのでしょうか?

 

今回は、怒りのメカニズムコントロール方法について見ていこうと思います!

 

 

1.怒りとは?

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そもそも怒りとはなんなのだろうか?辞書的に定義づけすると怒りは以下のようになる。

典型的な情動の一つで,他者による妨害,傷害,おどしなどの行為によって生じる。

相手を攻撃しようとする行動傾向のほかに,特有の顔面表情や自律神経系の各種の反応を伴う。

怒りは,欲求不満によって生じやすくなり,また憤怒は,怒りが自制心を失うところまで強まった状態である。

引用:コトバンク

人間の感情は大きく分けると快感情不快感情に分けることができます。怒りは不快感情の中に含まれ、私たちの持っている感情の中でも最もエネルギーが強い感情となります。

1-1.怒りは二次感情

怒りは心理学的に二次感情と言われます。 もともとは別のネガティブな感情(一次感情)があり、それを受けて変化したものが怒りなのです。

一次感情の種類

・不甲斐なさ ・恥ずかしさ ・苛立ち

・心配 ・寂しさ ・不安

・落胆・悲しみ ・・・etc

このように何かしらの一次感情を受けて溜まっていき、どんどんたまっていくことで怒りへと変わっていくのです。

 

2.なんで「キレる人」が増えている?

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では、なんで「すぐキレる」人が増えているのだろうか?アドラー心理学では、感情はある状況で特定の人に目的をもって起こると考えられている。

アドラー心理学から見る怒り

・支配

・主導権争い

・権利擁護

・正義感の発揮

これら4つの状況にあるとき、私たちは怒りという感情を発揮します。そしてこれらに共通するのは「~するべき」「~しなければならない」などのいわゆる「べき論」だ。

「こうあるべき」という自分の価値観の押しつけ(期待)が、達成されなかったことにより負の感情を感じ、それが怒りへと発展するのです。

また、脳科学の分野からも「キレる人」が増えた原因を考えることができる。

脳科学では、前頭前野が不活性で未発達であること、セロトニンの欠乏血糖値の乱高下などが関係していると考えられている。

 

3.「怒り」をコントロールする

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怒りをすぐに表に出さないために、どんな風に怒りをコントロールすればよいのだろうか?

ここでは、怒りの元感情を探すワークと、すぐに怒らないための工夫を紹介します。

3-1.怒りを感じたときの対処法

怒りを感じたとき、どうしても出さないと気が済まないっていうときありますよね。そういうときに怒りに身を任せないようにするためのたった一つのコツがあります。

怒りを抑えるコツ

怒る前に10秒間深呼吸をする

これだけです。怒りを感じたときに10秒間深呼吸をすることで、カッとなった頭が覚めて、落ち着きを取り戻すことができます。

3-2.怒りの元の感情を探す

冷静さを取り戻したところで、怒りの元の感情を探してみましょう。

Step.1

怒りを感じた出来事について、あなたはどうしてほしかったのでしょう? (あなたはどうしたかったですか?)

※具体的に考えることがポイント 

Step.2

「~してもらえなかった(~することができなかった)ことが??と感じた」という文章にしてみます

※??の部分は、怒りじゃない感情を当てはめてみてください。(一次感情は1-1.にあるので、それを参考にしてみてください)

Step.3

Step.1・Step.2で感じたことを相手に伝えてみる

前の二つのステップで怒りを感じた出来事に対して、だいぶ客観視ができるようになっているかと思います。

ここで分析した気持ちを言葉で相手に伝えることで、相手にも分かってもらう努力をします。

怒りに任せていては相手もヒートアップしてしまう可能性があるので、こちらが冷静になることが大切です。

3-3.生活習慣を見直してみる

自分の生活習慣を見直してみることも怒りのコントロールには有効な手段かもしれません。

生活習慣見直し項目

・睡眠時間は足りているか

・ストレスを抱えてはいないか

・金銭的な問題はないか

・体調は優れているか

・病気はないか

・空腹を感じていないか ・・・etc

引用:一般社団法人アンガーマネジメント協会 

身体は正直なので、生活習慣が乱れていたり、体調が崩れていると警告を鳴らしてきます。

なにかイライラしているときは身体が何を欲しているのかを聞いてあげるのも大切です。

 

4.まとめ

怒りは自分の性格だけではなく、相手との関係性までも飲み込んでしまうほどのエネルギーがあります。

生活習慣や怒りを客観視する方法を身に着けて、コミュニケーションや人間関係を円滑に進めてきましょう!

怒りに身を任せている人の近くにいると周りも疲れてしまいます!

 

5.参考

・怒りは二次感情 怒りの下にある感情を癒す│大阪神戸の心理セラピー・カウンセリング Prado

・怒りは「二次感情」、元になる「一次感情」を考えると・・・ | ビジネスコミュニケーション最適化ブログ

・自分の1次感情を探ってみましょう | 日本アンガーマネジメント協会

・キレる人を落ち着かせる"アドラー心理学" | プレジデントオンライン

・キレる人は、なぜキレるのか? | プレジデントオンライン